こんばんは、となカエです。
kindleのunlimitedで借りて、寝る前に読んでた小説が読み終わりました。
「博士の愛した数式」で、有名な作家:小川洋子さん。
その方が書かれてる&表紙が好みということで、
ジャケ買いならぬ、ジャケ借り。
あらすじも内容紹介も読まずに、読み始めました。
結果、めっちゃよかったです。
感想を書きますが、ガッツリとはネタバレしません。
ぜひ作品を読んで、雰囲気を味わってほしい!!

まずタイトル。
「え、無理では?」「どゆこと?」ってなる。
この謎だったタイトルが、読むにつれてじわじわと姿を表していく。
この感じ、大好き。
あと、チェス全然知らなくても、楽しく読める。
むしろ、このタイトルの意味が徐々にわかってくる感じは、
逆にチェスの知識がないから味わえたかもと思った。
天才チェスプレーヤーの物語だけど、表舞台には出てこない。
色々な流れで、裏の世界で、片隅で、ただチェスの海に潜り続ける。
悲しい話でもなく、楽しい話でもない。
仄暗い世界を側に感じながら、物語は進んでいく。
登場人物たちも、何かしら抱えているものがあるけど、
それをはっきりとは示さない。
登場人物の名前も、書いてない。
主人公の名前も、出てこない。
途中から主人公は「リトルアリョーヒン」と呼ばれるけど、
結局、本名はわからないまま。
登場人物の名前を覚えるのが苦手なので、その点でもめっちゃ読みやすかった。
絵本のような、童話を読んでいるような
不思議な感覚で、緩やかに物語が進んでいく。
最初にチェスを教えてくれたマスターが
最高にいい。
チェス以外の、人生で大事なことも沢山教えてくれる。
老婆令嬢もいい。
彼女がどんな人生を送ってきたのか、
思いを馳せる。
手紙での棋譜のやり取り、粋ですよね。
贅沢で、優雅な一局。
そんな中、リトルアリョーヒン。
まさかそんな。
なんとなくそうなるかもと思ってたけど、
考えたくなかった。
それ以外の終わり方が、
残りのこのページ数で出来るかと言われば無理だろうとも思ってた。
でも、どんでん返しを期待するのが心理。
チェスは美しい
純粋で寡黙な主人公が、世の中にある仄暗さを隣に感じながら、チェスに出会い、そこから広がる物語
物語が進むに連れて、印象が変わっていくタイトル
最後にじわっとその光景が浮かぶタイトル
泣かせる
笑わせる
ハラハラさせる
そーゆーことはなく、ただ淡々と進み、所々でハッとする
じわっとくる小説
良かった
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